古都市Zonsの弾丸観光!

ドイツ生活記

Hallo!ドイツ語0民のアンドンです。

前回の記事でご紹介した鉄道ストライキの影響で、1月24日からの近郊観光の予定が崩れ去りました。

アンドン
アンドン

明日から行けない?

アンドン
アンドン

それなら今日行けばいいじゃない!

ということで23日の昼に急遽実施を決め、中世の街並み残る旧市街、Feste Zonsへ近郊観光に行ってきました。

トラブルまみれの往路

昼食を食べ、元々外出予定がなくずぼら状態から慌てて身支度し、家を出たのが14時頃。

行先はFeste Zons、デュッセルドルフの対岸にある古都市です。デュッセルドルフ中央駅からはSバーンとバスを乗り継ぎ1時間弱ほど。

この日の最高気温は12度程度と比較的暖かく、夜まで雨は降らない予報でした。
が、さっそく致命的な過ちを犯した私。電車に間に合わない!と急いで準備した結果、

アンドン
アンドン

あれ、首が寒い……

マフラーを忘れました
ドイツは割と風が強く、肌を出しているとすぐ体温を持っていかれます。外歩きをする時は首元の防寒が不可欠。マフラー&コートの下にUNIQLOのウルトラライトダウンベストを重ね着すべし、そうクリスマスマーケット巡りの時に学習していたはずなのに。
ベストも忘れたので、防寒具は手袋とコートのみという手薄装備で屋外観光をすることになりました。つらい

Dormagenの迷子

Düsseldorf HBFでS11に乗り込み、Dormagenへ。Feste Zonsまでは、駅前のバスターミナルで866番バスに乗り10分程度。
発車時刻1分前に現れた886番バスに乗り込んで、ほっと一息ついた私の耳に、次の停留所のアナウンスが入りました。

アンドン
アンドン

あれ、Googleマップで確認した停留所と違う?

はい、逆方向のバスに乗りました。

実は、Dormagenのバスターミナルではすべてのバスが同じ方向に発着する上、往路と復路、同じ番線のバスがほぼ同時に駅前を出発する時刻表だったようなのです。
一応乗るときに行先を確認して(Googleで見たのと違う……)と気づいてはいたのですが、Googleの案内はよく違う行先を表示することと、時刻表どおりにバスが来たことから、えいや!と乗ってしまっていたのです。

バス内で慌ててマップを開き、現在地が目的地と逆行していることを確認。ちょうど次の停留所に着いたタイミングだったので飛び降り、逆車線の停留所に走って時刻表を凝視すると、次の発車は30分後。この時の外気温は10度前後。寒いしカフェでも入って待つかぁと、ぽちぽちGoogle検索したところ、

アンドン
アンドン

うそ、カフェどころか入れそうな店が皆無……

呆然とする私に追い打ちをかけるように、いつの間にかどんよりと垂れ込めていた暗い雲からぽつぽつと雨粒が。
折り畳み傘を持参していたとはいえ、手袋以外の防寒具なしで10度前後の外に30分立ち尽くすのはさすがに風邪をひく。バス停周りを散策してとりあえず動くことに。

周辺には、大きな街の中心地では見かけない、隣家から独立した集合住宅スタイルの建物がちらほらありました。あと、公園近くにやたらと手の込んだ壁の落書き。

無人の公園をとぼとぼ巡回しているうちにバスの時刻、少し遅れていたものの無事Feste Zons方面のバスに乗りこみました。

Googleマップの罠

40分ぶりにちょっとだけ暖かな屋内に入って安堵しつつ、バスに揺られること10分程度でGoogleの示したバス停Dormagen Zollstr.に到着しました。

アンドン
アンドン

さて、旧市街はどこかな♪

降り立った先は、ごくごく普通の住宅街。それらしきものは全く見当たらない。Googleマップを慌てて確認すると、

アンドン
アンドン

通り過ぎてるじゃん……

立地的に、一つ前のバス停Dormagen Schloßstr.が最寄りでした。小雨のそぼ降る中、来た道をしょんぼり引き返すことに。
どうやらGoogleマップは、観光エリアでなく街全体の中心地を示していたようでした。もしZonsの観光に行かれる方は、Zollfeste Zons(史跡)を目的地に設定するのがおすすめです。

Zons旧市街を散策!

謎の豚がお出迎え

歩くこと10分弱、ようやく観光エリアの入り口に到着しました。雰囲気あるレストラン?も見つけ、しょげてた気分は急上昇。

その先に見つけた、

豚。しかも群れ。いやこれ何?

後ろの人物像に彫られていたいた碑文によると、”1577年にサレンティン大司教なる人物とケルンの人々の間で、豚をめぐる騒動が起きた。ツォンスの廷吏の助力で、ケルンの人々は大司教に盗まれた50頭の豚を奪い返した”とのこと。翻訳機を使っているので、正しい訳かはわかりません(笑)

民衆の勝利を記念して建てられた戦利品(豚)のモニュメント、といった位置づけでしょうか。何はともあれ、造形が生き生きしていてかわいいです。現代の豚よりだいぶ小さいかな。

壁に囲まれた街

豚さんから目を上げると、そこにはレンガ造りの壁が。レンガ壁自体はケルンでも見たことありましたが、どうやらこの壁は小さな街をぐるりと囲うように建てられている模様。すごー!


街の入り口に立つと、幅の狭い道に敷かれた石畳にレンガや白壁の家々が立ち並ぶ、異国情緒ど真ん中の光景が広がっていました。ちょっぴり異世界転生した気分(車の存在で現実に戻されますが)

中世ドイツでは、環状囲壁を築いて城や都市、集落を守っていたそう。日本にも「惣構え(そうがまえ)」と呼ばれる堀、土塁、石垣等による外郭があったそうですが、街並み含めて丸ごと現存しているところはありません。
Zonsの壁は14世紀に建てられたようです。日本は鎌倉~室町くらいと考えると、当時のものが綺麗に残っていることに驚きます。文字でしか知らなかった中世の雰囲気を肌で感じられて、感動も一入。

アンドン
アンドン

ウォール・マリアの中ってこんな感じ?

外が見えない壁に、「進撃の巨人」の街並みをちょっと思い出したり。かの作品の舞台はドイツのネルトリンゲンがモデルと言われているので、似ているのかもしれませんね。

街の入口から出口までは、一本のメイン通りが繋いでいます。迷いようがないので、迷子常習犯にはありがたい。

出口側の壁の外側はこんな感じ。どうやら建物として利用しているようですが、元々壁だったのか、建物だったかは判別できませんでした。

環状囲壁自体はRingmauer、集落を囲む壁はStadtmauerと呼ぶそうです。
小さな隙間は矢狭間・銃眼(Schießscharten)といい、ここから外敵に遠距離武器で攻撃できます。これは日本の城にもあります。人間の発想は国が違っても似通っているんですね。
参考:「ドイツの古城~歴史の旅」様 https://burgen-schloss.info/ringmauer/#index_id7

街中を散策

四角い街を横に貫くメイン通りをとことこ散策。新しめの建物とレンガの建物が混在しています。左右には雰囲気ある小道がたくさん。高い建物はなく、教会などがひょっこり顔を覗かせるくらいです。

壁の近くはこんな感じ。

隅っこには塔もあります。ルーク!チェスのルークまんまじゃん!とこっそりテンション上がりました。

アーチ型の模様や、大きな石を壁に埋め込んでいるのは、デザインなのか力学的な必要性からなのか気になるところ。ドイツ国内の有名な城・壁と比べて石がだいぶ不揃いなのは、コスト・手間を抑えられるからかな。そのあたりは日本と同じかもしれません。

市壁横の小道を歩いてみたので、動画で雰囲気をお楽しみください。
※手振れがひどいので、画面酔いしやすい方はご注意を!

左手側が市壁、右手側が民家?です。
ここの壁は他の三辺よりも黒っぽく、少し低め。街の入り口に面しているから?
足元は石畳で、雨で少し滑りやすくなっていました。
動画の最後では、来た道を振り返っています。

Martinus教会

ドイツの街観光で、アンドンが楽しみにしているのが教会探訪。Zonsにも漏れなく教会がありました。カトリック教会St.Martinusです。1408年に設立され、現在の建物は1878年に建てられたものです。

外は重厚なレンガ造り、内部には高いアーチと正面に祭壇というオーソドックスな教会でした。教会入り口はやわらかな彩色で、中の柱なども比較的シンプルながら美しい。電気が消えていましたが開いていたので、無人・無音にビビりながらもド正面から撮影。

振り返ったところに、大きなパイプオルガン。どこの教会にもパイプオルガンがあるのが、キリスト教と音楽との強い結びつきを感じます。教会は天井が高い分音響が凄まじいので、一度生でオルガンの音を聞いてみたいものです。

教会横には小さな広場があり、十字架にかけられたイエス像。

入り口のステンドグラスに注目すると、表からはほぼモノクロでした。が、中から見たのがこちら。

裏からは色付きなんですね。内部の暗さと外の明るさの対比も相まって、後光が差す=聖なる感じをよく演出しています。教会という祈りの場だけでなく、外=日常でも神は見ています、みたいなメッセージ性を感じるような気がしなくもない。
こういう表現の工夫を見るのが教会訪問の密かな楽しみです。

反省点

今回の弾丸観光で、いくつかの反省点がありました。

  • 防寒対策を怠った
  • 到着が遅れた(16時くらい)
  • 街を一周できなかった

前述のとおり不完全な防寒で来てしまったために、のんびり観光できる状況ではありませんでした。屋外の観光がメインだったため、あまりの寒さに急ぎ足で一通り巡って帰ったので、街の四隅まで見られなかったのが残念です。
観光案内所は16時で終了、観光客もほぼおらず、住民の方々が仕事を終えて帰宅しているのか車がどんどんやってきて、道で撮影していたら邪魔になりそうでした。また、ドイツの冬は日が短いので、17時近くになるともう薄暗い感じです。曇りというのも相まって、写真映えしません。

もしFeste Zonsを冬に訪れる場合は、日中の明るい間防寒対策をしっかりして行くことを強くおすすめします!

復路はつつがなく?

超速で観光を終え、往路をなぞるようにバスでDormagen駅へ。そこからSバーン……と思ったら、いつものように「電車、止まりません」

前の電車が遅延しているからこの駅には止まらない、と。あるある過ぎて、さすがの私も慣れました(笑)急いでDBアプリで他ルートを調べ、次発のREに乗り込んで、無事デュッセルドルフ市内に帰還しました。

おわりに

弾丸で決行した小旅行でしたが、まるで物語に出てくるような中世の街、市壁を見られて、貴重な経験になりました。外の見えない壁に囲まれて暮らすのはどういう気分なのか、当時の人にインタビューしたくなりますね。
ドタバタした割にそれなりの観光が出来たのも良かったです。雨だったのと、全部を回り切れなかったのが残念だったので、時間があったら晴れた日に再チャレンジしてみたいです。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました!自撮り代わりのぬい撮りを最後に置いて、この記事を締めたいと思います。(写:11月ツキウサ)

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